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「グラシアスコール」について

2021年12月26日にボカロ曲「グラシアスコール」を投稿しました!!!🌨️

inst➡https://piapro.jp/uraishitokage

 酩酊堂さん主催の「イラスト統一祭」参加曲。絵はまかぎさん。先日話した、音源を買う前に完成させた曲とは別で、12月初旬に、買った音源を使って作った曲。Twitterは動かしていないし、コメント欄で直接コメントするのも恥ずかしいのでここで言うけど、ボカロP対談やゲーム配信などはいつも楽しみに見ている。

 

 

概要

 今回はイラストを見て発想や世界観を広げていった。広げたと言っても僕の思考の範疇だから大したことはない。グラシア(Glacier)は氷河。スコール(Squall)は突風という意味だが、日本語では東~東南アジア地域で見られる短時間の大雨を意味することが多い。Glacier、つまり「真冬の大雨」がタイトルの意味。大雨は心の中の雨。辛くて悲しいみたいなそんな感じ。今年に入ってから、自身の心情がテーマの曲を作ると、他の制作曲と根幹のズレが生じ、全体の主軸にマッチしなくなると考えて没にしてきたが、グラシアスコール(以後スコールと呼ぶ)は主軸にもある程度沿わせながら自分の心情を入れ込む、ダブルミーニング的な曲になっている。…その主軸は何かって?それはいつかのお楽しみ。

曲の話

 今回は、ボーカルのメロディに対しての固定観念を無くして、ある程度自由なメロディの作り方をやってみた。今までと比べて早口ではない。押韻はほとんど考えてないし、ストーリー性のある歌詞の進め方とかもしてない。これを完成するのにかけた時間は短めだけど、後述のインストゥルメントのおかげで他のオリジナル曲と同等かそれ以上のクオリティの曲を作れたと思う。様々な音楽を聞いている中で、すごく好きだと思ってこんな感じのを作りたい、作り方を分析して真似てみたいと思うことは多々あるが、ころっと作り方を変えるのは不可能に近く、どうしても自分の癖が出てしまう。真似ようとしてその癖が変わるわけでもない。だったら、無理に真似ようとせず自分の作り方で勝負していくのが正攻法だと考えるようにしている。

 ジャンルはLo-Fiのつもりで作っていたんだけど、ローファイ用エフェクトをかけてるのがドラムだけだし、レコード劣化の処理もないし、ピアノ押し出しすぎでもはやバラードになってる。バラードにしてはBPMが早いか。つまるところ、何のジャンルか分かんない。

インストゥルメント

コード…EZKeys Grand Piano

 収録されているMIDIループに頼り切りになってしまった。でも、マジで凄くない???良さそうなのを選ぶだけでこのピアノコードが出来るなんて。音源紹介のときは詳しく書いてなかったけど、MIDIはソフトが読み取ったコードを基に自動で音階を変化させてくれる。コード理論とか定番コード進行とか何も押さえずに打ってるから他の音楽とコードがだだ被りすることはほとんど無いと思い込んでる。被ってたらごめんなさい。

ベースMODO BASS SE

 ほぼベタ打ちとピッチベンドだけ。シンセの音じゃ絶対に出せない。これぞまさに音源の力ってすげー!と感じる瞬間。しかし間を置いて聞き直したらベース音量大きすぎ問題。

 この音源でスラップベースの音までカバーできるけど、前から持っていたBass Slapperはそれはそれで特徴のある音を出してくれるので、ベースの打ち込みはシンセベースと、その二つを併用していく予定。MODO BASSはあくまで人間がベースを弾いている状態を忠実に再現していて、同じ音階でも弾くたびにわずかに音が異なる上にスライドノイズ、デタッチノイズが入る部分も変わるので、オーディオとしてエクスポートしないでmp3を書き出した以上、ボーカル有りとinstで微妙に音が違ってしまっているかもしれない。

ドラム…Drumart SLD

 無料のやつ。ロージースネークで使ったCleepy Pianoと同じ社の音源。ほんとに無料なの???ってくらい充実しているドラムマシンなので、DTMをやっていて、触ったこと無いという人は是非使ってみてほしい。音的にはポップスやヒップホップ、レトロ系に向いてそうな感じ。

・その他…Synthmaster Player

 シロフォンやシンセリフ、パッドに使用。このシロフォンは現在の投稿曲でスネーク以外の曲全部に使ってる。お気に入りの音。最近バージョンアップがあって、UIがかなり良くなったのだが、DAWの適性がないのか、プロジェクトファイルを起動する度に選んだプリセットのパラメータの一部が初期化されてしまう。Creepy Pianoのリロードを何回もやらされている感じ。最近シンセ音はこればかりに頼りがちだったので、不便になったついでに他に持ってるシンセを確認してみよう。

 

歌詞の説明

時が経ち 心は冷えて
探してた理想郷は無いと知って
価値だけが 虚しく残る
いっそ風に乗って 君さえ忘れたい

 歌詞の前提として、何年も前から憧れている人がいて、彼に追いつきたいと願っている状態がある。しかしその願いは叶わず、時間が経つうちに感情の熱が引いてしまった。彼自身の価値は当時から変わらないが、今の自分にとっては興味が無い。それでも忘れることが出来ずにいるやるせない状態を拭い去りたい。

 

時が経ち 空気も冷えて
それなのに青い春を求め
傷付くの 脇目も振らず
いっそ風邪に為って 寝込めればいいのにな

 空気が冷えているのに青い春を求める、つまり高3の冬のこと。僕自身は青春を求めているわけじゃ無い。3次元世界の恋愛ほど空虚なものはない。4行目はコロナ禍の現在で言っちゃいけないような台詞だけど、イラストの世界観もこの曲上の世界観もコロナとは関係無いし…別に大丈夫でしょ。

 

引き摺ってる重りがここにあるとして
手放せないなら どうするんだろう
明けない夜も 止まない雨も
泡沫に消えてほしい

 「あるとして」、というより「ある」んだな。このBメロのメロディが突然思い浮かんで、この曲で一番最初に作ったところ。後半部分は付随なのでちゃんとした意味は無い。文章が少ないので余談。2020年に作った曲は結構たくさんあったが、同年末にほとんどを削除してしまい現在は5曲しか残っていない。しかし、削除した曲も記憶が鮮明に残っているものがあって、いつかは作り直したいと思っている。

 

季節外れの大雨が降っている
雪のように冷たい雨が
それの意味すらも分からないままで
幸せを捨てていく

 クワイアっぽいPadも入ってinstはめっちゃキラキラしてる感じだけど、歌詞はキラキラしていない。言葉での言い表し方が分かんないけど、なんていうか、そのまま。クワイアといえば(また余談)、少し前にOmnisphere2をいじる配信を見ていたんだけど、それに収録されているクワイアがまともなクワイア音源に匹敵する素晴らしさを誇っていた。他にもぶっ飛んだ音が大量にあるけど、Omnisphere自体は日本円にして6万を超えていて、うかつに手を出せないシンセである。それならKOMPLETEを買った方がいいのではないか、と思う。

 

静電気 体を貫く
やるべきことも やりたいことも忘れたんだ
「君がいて 私が成り立つ」
そう思えていた15のワタシが嗤う

 静電気は今時のあるあるでもあるし、主軸にもかかっている。(静)電気のせいで私の幸せになるはずだった生活ぶち壊されたんだけどどうしてくれるの?くらいのインテンション。話を戻す。僕が15歳の頃は今よりも本来の目標に対する意思が強かった。今はそれから必死に逃げて作曲に傾く始末。ここの一人称が片仮名の「ワタシ」なのは、昔の「ワタシ」が今の「私」とはまるで別人であるということを指す。

 

伝わんない思いがここにあるとして
凍りついてしまうなら どうなんだろう
さりげない仕草 縫いぐるみの目
背景に溶け込んで

 これも「あるとして」というか「ある」。次に続く文が思い浮かばなかったのでグラシアに合わせて凍り付くという語を採用した。さりげない仕草というのはメディア(小説、漫画、アニメなど)ではとても重要な表現になるけど、それがぬいぐるみの目と一緒くたにされて背景に溶け込んでしまうのは、その仕草の主体がまるでモブになったかのように地味になってしまうことを表す。確かそういう意味で歌詞を書いた。

 

(2番サビは1番サビと同じなので省略)

夜が更けても大雨は止まないの
独り善がりにも慣れて
壊れかけのまま瑕疵になり
終いには 君の鼓動を恨んでいる

 僕は大抵いつも一人きりなので、だいたい独りよがりのもとで生きている。はじめは自分が孤独な環境下に置かれることを嫌に思っていたが、今となってはそれも受け入れつつある状態。瑕疵(かし)というのは、傷や欠点の意味。syudouさんの『取扱注意』から。ボカロ聞いてると結構知らない語が出てきて、それを学ぶきっかけにもなる。「君」は先述の「彼」のこと。片仮名で「キミ」でもよかったかな。ロージースネーク~マッシブクラッシャーには「君」「キミ」は含まれていなかったけど、この語が僕の曲中に出てきたとき、この2つは全く違う意味を表している。「君」はこの世に実在する/した人物としての二人称で、「キミ」は実在しない人物/キャラクターに対する二人称、もしくはそれを仮の姿としている実在の人間を意味する。

 

次の曲について

 次の投稿はおそらく3月。買った音源紹介のときに言及した曲(デモの方ではない)を投稿する。またも音楽ジャンルが変わる。先に言っておくとデジタルロックです。まだ自分の音楽の方向性が決まっていない。次のボカコレが2022年の春に開催されるが、それ用の曲も考えている。完成しないかもしれないけど。受験本番までついにあと少しとなってしまったが、空き時間を少しでもうまく使って最良の状態で共通テストを迎えたい。それでは、よいお年を🐄