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ボカロ曲【キョーテン】解説

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データ

タイトル : キョーテン

Ebglish title : Scriptures

投稿日 : 2023年11月2日

長さ : 3分7秒

歌唱 : 初音ミク

ジャンル : ピアノロック

BPM : 140

キー : Aマイナー

テーマ : Yiff

概要

作者名を公表せず、匿名で合成音声使用曲を投稿する「無色透名祭Ⅱ」参加曲。開催期間が終了すると、任意で制作者名を公表することができるため、そのタイミングで本来のアカウントでの動画再制作版(いわゆる「有色版」)の投稿とこのブログの更新を行った(行ってない)。無色透名祭では匿名性・公平性維持のため、動画は白背景に黒文字の歌詞だけのスタイルで制作することがルールになっている。

AIの能力が向上して、パワーを実感した。AIが描けるということは、それの元になった人間の描いた絵ももちろんあるわけで、その元も含めた上で「アファニティ」で表しきれなかった意図を補足した。それを宗教に婉曲している。歌詞は登下校中や入浴中に思いついたテーマに合う言葉をメモしていってその集合から引っ張ってきたものもある。タイトルの由来は①「経典」②「驚天動地」「仰天」③「今日天国行き」。①は好きな絵師の絵が宗教の経典のように注視し崇拝する対象であること、②は自分の趣味嗜好を突かれることに驚くこと、③はキュン死のこと。「ロージースネーク」の頃から既に自分の曲の根幹は同じなのだが、少しずつ歌詞が直球になってきている気がする。同じテーマ擦りすぎなのかな…世間一般に通用させるためには主題にできるネタを広げていかなければ。

インストゥルメント


・リード…Creepy Piano, Magical 8bit Plug 2など

Creepy Pianoが定着してきた。これ自体は「ロージースネーク」の時点で既に活用していたが、利用率が低かった。その理由には、同じ音源を使い続けるとマンネリ化する可能性があることと、Creepy Pianoの音に頼らない幅広い曲作りをしたかったからなどがあった。

・コード…Keyzone Classicなど

このリリースカットピアノは「チープディナー」から目立っているから、このコードの音源を聞いたら僕の曲だと思ってくれると嬉しい。まあ、これはリスペクトしてる人がこのインストゥルメントを使っていて、同じのを使って真似してるだけなんだけど…絵が真似でできているのは未だに信じられないけど、音楽は真似でできているのは断言できる。「アファニティ」からはArt Deco Pianoも使い始めたが、曲調によって使い分けていくと思う。

・ドラム…BFD3など

キックだけ別のサンプルに差し替え。その他のパーカッションはサンプルより。ドラム音源は部品ごとに別のバス*1に出力を分けて別々でエフェクトをかけていくのが主流らしいけど、僕はそのやり方が分からない。

歌詞の説明

旋律は売名 吹き飛んだあの迷信
来世に請え 手が届きますように
煩雑な背景 今は気にかけない
アーメン 祈れ ただ明らかな忠誠
鉛筆から成って 象ったこの精神
惨状 悲劇 さえ掻き消すように
敢然たる前提とかハッキリ歪んで
サーテイン 習え 突き動かされていけ

自分が作曲をする上で頻繁に発生していることは、イントロだけ爆速で作るものの、Aパート以降がすぐに出てこないで、数日立つと新しい発想に侵略されて没になってしまう流れ。だから、イントロには確実に自分のありのままの作風が詰められている。完成するかどうかはその後の発想が湧くかどうかにかかっている。多分、「ダイナマンサー」の第1音と同じだな…聞き返して何だか似ているような気がするのはそのせいか。今回はイントロのコードとベースを流用して、繰り返しでAパートを構成するというちょっとずるいことをやった。ピアノの刻みが偶然とはいえ凄くリズミカルにできたから、有効活用しない手はないなと思って…🐟

ここでの「旋律」はあらゆる言葉のこと。認知や人気を得ようと媚を売ることを売名行為と呼ぶが、誰かしらのキャラクターのセリフを通した上での売名行為ということ。「迷信」はドラゴンのこと。吹き飛んだ迷信で、ドラゴンを現実にする意味。「煩雑な背景」は、あるメディア(とにかく、何でもいい)を形而下に表すのには時間がかかること。それをなんとなく流して無下にする、もしくはその苦労を鑑みずに享受するのが「気にかけない」。「アーメン」を含めて、歌詞にはキリスト教的な言い回しが多く含まれている。仏教要素もある。世界三大宗教としてイスラム教もあるが、イスラム教は軽はずみにネタにしない方がいいと思う。聖☆おにいさんでも触れられてないし。ただ大事なこととして、この曲はキリスト教に基づいているわけではないということは加えておく。絵のドラゴンが十字架のネックレスをかけていないのはそのため。

 

ジャンクフードの塒 されるがまま低迷
ただ聖水をかけるだけじゃ排除しきれない
千年王国お望みなら此処にあるぜ
蒸留酒 飲み干して!

千年王国」は、初期のキリスト教信仰で流行った、世界の終わり(最後の審判,善悪をハッキリと天国と地獄に分割する行為)の前の1000年前にイエス・キリストが再臨して1000年間統治する安泰な王国のこと。ここでは「安泰な世界」の意味を抜き取って歌詞に入れた。蒸留酒は、酒の中でもアルコール分の強いもの。ジンとかウォッカとかテキーラとか、ラムも実は蒸留酒

 

経典の第一条 飄然とライド一乗
良かれ良かれと脱するの天国
焦点を慕って 抗戦の余地無いね
あれよあれよと通り越す原罪を

軽率に韻を踏む歌詞で埋め合わせてしまった。一応ちゃんと意味はあって、「一乗」は仏教用語ですべての人を救済する乗り物のこと。この界隈に飛び込むならまず、ふらっと尊敬者の言いなりになってしまおう、と噛み砕けるかも。何が天国なのかの定義は人によって異なるだろうが、僕の場合は、もし天国というものがどこかに存在するのならば、食事と睡眠以外のあらゆる欲望が存在しない本当の意味での自由を得られる場所であると思う。欲望があったがゆえに文化が発展し、争いが発生し、不条理で動く現代がある。歌詞の天国は僕が思う意味で使っている。3行目の説明は後ほど。「原罪」は人間が産まれたときから持っている罪のこと。その原点はアダムとイブが知恵の実を食べて楽園を追放されたことによる。

 

とっておきだって 残らず消え去って
形成 再生 サンクトゥス唄って
競争の末の 正確なその円陣
ラーメン 啜れ 慈愛を説いていけ
誰だってきっと従順でいれば善い
野生ともに唸り声が抱いて
年月が経って 捗るどの上伸
バーテン お願い 生き血を混ぜて頂戴

「とっておき」は他の持ち技を使ったあとに発動できる高威力の技。その高威力すらも無為に帰すほどに上回る力の意。

円陣はここでは人の繋がりを指す。何ていうのかなこれは…趣味で繋がるグループには繋がるための暗黙の試験みたいなものがあって、それをパスしないと仲間の輪には入れないという、当たり前すぎて話のされないような常識を表す。僕はどのポケモン好きの輪にも入れない。というより、入らないことを望んでいる。ラーメンは仲良く同じ場所で食事をすることの象徴。

 

経典の第一条 飄然とライド一乗
良かれ良かれと脱するの天獄
昇天をしたって 抗戦の余地無いね
看取った姿 偽りのオリジナル

1番サビを流用。同じ発声でも言葉を変えている。「天獄」は5,6年ほど前に読んだ成人向け漫画で出てきた言葉。

3行目▶「昇天をしたって」のほうが、「抗戦の余地無いね」に意味が繋がりやすい。本来はこっちが正しいつもり。この字面だと逆接のようだけど、よく考えたら順接のほうがよかった。

4行目▶獣人は本来の動物の形状を変化させた、現実には存在し得ない生物。原型を「看取った姿」として、それこそが真のオリジナルなのだが、それを「偽り」と題しているのは自分が過去に見たことのあるポケモンイラストが原因。獣人イーブイの体に「This is Orignal」と書いてあるやつ。

 

仰天の 巧参上 標的の効果三乗
意地を足した 悪竜(バッドドラゴン)の所為か
乗船だ まだ何も壊れちゃいないから
崇め 尊ぶ程 物足りなくなるの
近くで知覚を開く
味覚 理欠く迄

「巧」は本当は「攷」にしたかったのだが、M+フォントにこの字が収録されていなかったため前者になった。意地を足した悪竜(バッドドラゴン)の所為か▶ケモナー・ドララー向けの大人の玩具を制作・販売している「Bad Dragon Enterprises」という企業が存在する。その社はケモドラの18禁イラスト・マンガを取り扱う「e621」というサイトも運営しており、「意地」は「eの字」のことである。1番サビにも共通しているが、「意地を足した」の部分のピアノコードの刻みが「ダダダダダダ・ダーッダ・ダー」で、6,2,1のリズムで引っ掛けている。これを言いたくてこの曲を作ったようなもんだ。大事なことなのでラスサビに持ってきました。

乗船はノアの方舟イメージ。神話上のはるか昔の話であるが、それが今でも穴開かずきれいに使える状態で残っているという意味。4行目▶楽しみが馴染むとそれだけじゃ満足できなくなりさらにレベルの高い楽しみを求めたくなる…ということ。この後は押韻

*1:平たく言えば、最終的な出力音の前の段階