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ボカロ曲【アファニティ】解説

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データ

タイトル : アファニティ

English title : Afurnity

投稿日 : 2023年9月16日*1

長さ : 2分32秒

歌唱 : 初音ミク

ジャンル : EDM

BPM :126

キー : Fメジャー

テーマ : ケモノ愛好

概要

「ヨミノルカ」改名後の1発目。完成したのは5月下旬。長らくエレクトロスウィングに憧れて近いものを作ろうとし続けていたが、どうも半端なものしか書けない状態が続いていた。その中でもこれはかなりらしくなった。2021年入ってからは作風はずっと不変の状態だと思っていたのだが、続けていると自然と上達していくもんなんだな。一番変わったのはボーカロイドの調声方法かな。ロージースネークのときはピッチ補正を要所要所の最低限にとどめていたが、カルカメルカからはできるかぎり全部のノートに補正をかけるようにしている。可不をはじめリアルに歌ってくれる合成音声シンガーが次々とデビューしていて、それぞれの声も皆とても好きだが、僕自身はそれ以前のプログラム的な発声だからこそできる歌い方を突き詰めたい。

タイトルの由来は「affinity」と「fur」の合成。前者は「強い好み」、後者は「furry」、つまりケモノの短縮。そもそも、ケモノ系イラストの投稿サイトとして「Fur Affinity」というところがある。それを少し弄って一語にまとめた言葉遊びで「Afurnity」とした。最近はAIによる画像のクオリティが大幅に上がっていて、この曲の歌詞はAIイラストを見た印象から来ているところが多い。

インストゥルメント

音楽ジャンルをエレクトロスウィング基盤にした理由は、ジャズ音楽のイメージによる。ジャズは(女性の)色気を表す音楽でもあり、自分の曲の基盤にあるR-18の概念と重ね合わせた。R-18由来ではないけど、「グラファル」及び「グラファルツー」にも似た理由がある。みんなエレクトロスウィング好きじゃん?≒みんなガブフラ好きじゃん?みたいな思考だった。

・リード…Creepy Pianoなど

スネークシリーズやチープディナーでもリードにしていたやつ。使用するかどうかはまちまちな音源だが、エフェクトで調整するとすごくいい音が出る。

・コード…SI-Strings, Art Deco Pianoなど

前者は「尽誠切刑」で初めて使用し「メンヘラゴン」「コーロ」でも入れたストリングス。その3つではワンショット的な雰囲気付けで鳴らしたが、今回は違う使い方をしている。コードを鳴らしているのは同じなのだが、トレモロで高速で刻んでいる。よく聞くとブルブルしているコード音が聞こえると思うが、それがこの音源。後者は初使用。よく入れているリリースカットピアノに当たるインストゥルメントにこれを充てがった。この曲より前まではリリースカットピアノにはKey of the 70'sかKeyzone Classicを使うのが普通だったが、この2つはリリースをゼロにするとリリースに変なノイズが入る(低音カットすると特に目立つ)上に、主線で活躍するにはどう足掻いても音が細い。そういえばあのピアノ音源あったな~と思って引き出してみたら自分が求めている音に一番近かったことが分かった。真に一番近いのはStudio One内蔵音源のピアノなんだけど…そっちはもう使ってないんだ…それがどんな音なのかは、「ミューティングガール」や「洗脳」*2を聞けば分かる。

・ベースMODO BASS, Magical 8bit Plug2

MODO BASSは「グラシアスコール」より頻繁に登場しているが、今回はスラップベースの奏法を使った。スラップベースの持つパワーはすごい(語彙力不足)

 

歌詞の説明

尺は自分の曲の中では短いほうだが、早口で歌っている場所が多く歌詞は少なくない。

一時だけ裁量誘拐
傷舐め合うのだって
満たせぬなら探せばいいさ
待ち望んでる黒

想定限界 任せてみるかい
強調冥利はヒトの力(りき)か
プランクトンの食材
故の傾城傾国(けいせいけいこく)体

1行目は本能的に好きなものをみたときにしばらく思考停止になる状態。2行目はなんか前後とどう繋がっているのかが分からず、独立した意味があるわけでもない。どういう思いでこの言葉を入れたのか思い出せない。気になって落ち着かないことがあったりや、どうしても満たされない心の穴をどうにかしたいときは、それらを解決する清涼剤を探せば良いという歌詞だが、当の自分自身はそれがあまりできていない。「黒」は最初の構想段階では「青」で、それこそ青春の青だったのだが、青春と呼ぶには綺麗ではない世界であるため、規制に使われるカラーでもある黒になった。「想定限界」は自分で思い描ける範囲の限界。想像できる範疇を越えた世界を見るために他者に創造を任せてみるか?を略した。「任せる」という動詞は「レイジーシャーク」でも使っていて(ね 任してしまえ 希望を)、そことも掛けている。強調はよくある誇張表現のこと。冥利は、「冥利に尽きる」のことで、「これ以上良いことはない」というような意味。プランクトン=人間。地球規模で見れば人間は微生物のように小さい存在だから。「傾城傾国」は中国の故事による四字熟語で、「皇帝の注意を散漫にさせ、町や国の存続を危ぶませるほどの美女」を表す。人間か人外かに関わらず、二次元においてはそんな存在ばかり描かれるようだ。実際僕も好きだけど。

 

必然由来の最終兵器持ち合わせて
そんなんじゃ回りくどくて
すぐに何処かへ行っちゃうね

ここのコードピアノのリズムはスネークシリーズのBメロと共通。作曲の原動力はずっと変わらないから、これからも何かしら完全新規には過去作との共通性が持たされるかもしれない。「必然由来の最終兵器」は男性器のこと。昔というほど昔でもないけど、とあるケモゲームに「自然に元から持っている武器は有効に使わなきゃな」みたいなセリフがあって、それを言い換えた。そのような遠い言い回しや物語の入り方は読者閲覧者プレイヤー等を退屈にさせて離れる原因になるから、さっさと本命に入ってくれと彼らは願うことだろう。※あくまで客観的な視点に基づいて書いている歌詞であり、僕の観念が必ずしも歌詞通りとは限らない。

 

諾して諾してダークになった
ホメオスタシスの暴走
言葉は要らない 目で語る
ドラゴンガールの妄想
サーフェスウェブだって
蓋を開ければ午後過ぎた
人間ほど愚かではないだろ
それほどにライが美味いんだろ

ホメオスタシスは生物の恒常性で、周囲の環境に関わらず保たれる生命活動を指す。よく言われるのは恒温動物か変温動物かの違いで、前者は外気温に関わらず一定の体温をしばらく保つことができる機能を有し、哺乳類と鳥類が該当する。後者はそれを持たない。興奮状態だったら恒温性だろうが変温性だろうが体温はぶっ壊れレベルで上がるという意味を込めた。絵は言葉がなくても意味が伝わる。メスドラの妄想の様子が絵で描かれていたら、誰でもそうであることが分かるだろう。サーフェスウェブは検索インデックスに引っ掛かるインターネット。検索に引っかからない個人情報などがディープウェブ、特殊なブラウザを用いることで閲覧できるのがダークウェブで取引によっては闇サイトとも呼ばれる。この3語はアプモンで知った。サーフェスウェブだからといって闇に当たる内容がないわけではない。闇を深夜に例えて、日付を回ったと表した。自分の一次創作におけるケモノ世界は人類よりも遥かに環境に良い技術を開発している。だから動画のキャラの目線で人間を愚かと言っている。一次創作、全然話が進まないな。話にできるものもない。キラー、アド、マクリスあたりはなかなかいいキャラしてるし、どこかで全員分の立ち絵を描いてまとめたい。ライは、嘘(Lie)と酒(ライ麦酒)のダブルミーニング

 

知ってるだけ在庫は永遠
寄り添うように出来て
草原ならとっくに枯れたね
そもそもそんなの無いか

幽閉 豪快 カメラは透明
巧妙定理はヘビの仕業
クランクインの生き甲斐
故に救われている

絵を描いている人、3DCGをやっている人、星の数ほどいるわけだから知見の限りいくらでもすべてを見つけることができる。草原は言うならばアダムとイブの暮らした楽園のようなイメージ。想像上の世界であれば実在はしない。決してキリスト教世界の楽園の存在を否定しているわけではない。あくまでも自分が考える「創作の世界」の話。ただ、実在しないからこそ理想を追い求めたいという裏返しの希望もある。幽閉豪快は省略します…言うの恥ずかしい…透明なカメラは描く側、見る側の視点のこと。「ヘビ」は「ロージースネーク」のこと。映画の撮影開始をクランクインという。対義語はクランクアップ。物語の始まりを映画に例えた。

 

導火線譲って 最初の兵器が現れて
こんなんじゃあまりにもそのままで
テンション上がっちゃうね

「導火線」は最初は「初夜権」だったが、もう少し遠い言い回しを考え押韻でもある導火線に言い換えた。1番の「兵器」が男性器だったなら、2番の「兵器」は女性器ということにしておく。日本の風潮では性器の描写には規制が必要だが、AI作を見たら結構直接描かれていて驚いた(=あまりにもそのまま)。

 

諾して諾してダークになった
ホメオスタシスの暴走
言葉は要らない 目で語る
ドラゴンガールの妄想
サーフェスウェブだって
蓋を開ければ午後過ぎた
人間ほど愚かなのはいないだろ

1番サビとほぼ同じに付き省略。

 

楽して楽して薬になった
ヒアルロン過多のビーイン
その場じゃ要らない 手で招く
アントロボーイの後方
生前振るなんて慣れた
空の上の筆記体
人間ほど汚くはないから
どれほどにアイは美味いんだろう

ラスサビの背景の色は「ロージースネーク」と「レイジーシャーク」のメインカラーから持ってきた。スネークシリーズは続きの構想があって、「ジー」「ーク」は共通させたい。アファニティにはタイトルの共通性はないが、オリジンは同一。ラスサビ以外の背景の色はピンクと青になっているが、そもそもこれは何が由来なのかというと、僕の目標の絵描きが単色背景をピンクにしていることと、それに対し自分は単色背景に青色を使うことが多いこと。ヒアルロン酸は美容目的でいうと皮膚の老化防止に使われる。二次元世界の美キャラはいつまでも美しさを保っていることから選んだ。ビーインはヒッピー*3の集会のこと。ここでは単に集会の意味で使っている。「その場じゃ要らない」は何が要らないのかというと、避妊具の諸々。「アントロボーイの後方」は、後ろの目線から描かれたことを示す。5行目は自分の二次創作に対する観念から。散々言っている。6行目は背景に描かれるサインのことを指す。「アイ」は「I(私)」と「愛」と「AI」のトリプルミーニング。よくありがちなやつかもしれない。自分はあまり曲の歌詞に「」という語を使いたくない。自分の曲を一般化されたくないからというのがある。現状では「グラファル」「グラファルツー」に「可らしい」「チープディナー」に「憎」があるが、他の曲では言い換えていることが多い。

絵自体は自分自身で100%描いたが、服装、影光の塗り方、スマホに写っているマークなど構成要素はほぼ全てAI頼り。

 

文章を投稿する用に調整している間、倉木麻衣Winter Bellsを聞いてた。名探偵コナンのオープニングテーマということで馴染みがあるけど、これって自分が受精卵ですらなかったころの音楽なのよね…自分が好きなものはやや古めな傾向がある。もう10年くらい早く産まれたかったな。

*1:すごく暑かったので、当時は8月47日とか言っていた

*2:Neruさんの「洗脳」ではなく、過去に自分が作った全く別の同名曲。当時はタイトル被りに気付いていなかった

*3:1960年代にアメリカなどで流行したカウンターカルチャー思想の人々