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「メンヘラゴン」について

2023年7月15日にボカロ曲「メンヘラゴン」を投稿しました!!! 🏥

inst➡ https://piapro.jp/uraishitokage

 

概要

 今年の6曲目。自分の中では2020年からずっと同じくらいの効率で作っているつもりなのに、投稿曲数で見るともう2021年、2022年のそれぞれの数を超えているから不思議。今回はウオノラゴンをテーマにした。本来は違う生物の化石を組み合わせて誕生した奇怪な見た目の化石ポケモンで、パッチラゴン・ウオチルドン・パッチルドンとあわせカセキメラと呼ばれる。その中でなぜウオノラゴンを選んだかというと、2019年に描いた漫画「ウオノラゴンの憂鬱」がきっかけ。それを描いて以降ウオノラはネガティブというイメージがついているため、気に病んでるドラゴンという意味で「メンヘラゴン」というタイトルになった。ウオノラがテーマの曲を作ろうと思い立ったのは2020年2月のことで、それから中々完成せず迷子状態だった。同時期にボスゴドラ(タイトル案は「イッテルビーム」)、ルギア(タイトル案は「売女バイター」「オーシャンゴッド」「ワダツミ」「ネギルアギル」など)がそれぞれ基になる曲のネタもあったが、未だに形になっていない…。2021年11月にこのタイトルを思いつき、1年以上経って再び動かした。

BPM:130 TIME: スケール:G#Major ジャンル:不明

インストゥルメント

・リード…FAMISYNTHⅡ など

 リード音によくかけているエフェクトにWavesのDoubler 4というものがある。これは音を重複させるエフェクト。左右に振ったり、わずかにタイミングをずらしたり、音程を変えることによってダブっている感じを再現する。wavesのダブラーには複製した音を1オクターブ下げる機能があり、それをオンにすると音に一気に厚みが増す。ボーカルにも「ロージースネーク」の頃からずっと挿している。wavesさまさまの調声。

・コード…Keyzone Classic, SI Strings など

 使用経験の浅いストリングス音源を使用。これはCalkwalkに元から入っているデフォルト音源。ソロや主旋律に使うにはチープさが目立つが、修飾として入れる分には充分な音質。やや古いものだから、レトロ感を出すにも最適。

・ドラム

 シンセウェーブ系サウンド。全体的にレトロな音を中心に構成したつもり。シンバルは再生する音をぶつ切りにして、機械っぽさを際立たせた。

 

歌詞の説明

 かなり久々に歌詞を最初に書き上げた(おそらくロージースネーク以来)。歌詞を最初に書く場合の利点は、意味を持つ言葉を多く入れられること。メロディ先の場合、そのメロディに合わせて発音数を当てはめる必要があるため、使える言葉に制限がかかってしまう。字余りは美しくない。

漫才みたいな 回鍋肉(ホイコーロー)の芳香
単細胞だって 一日過ごせば合法
ゾンビだろうがなんだろうが 血液多分通っている
身体を切れば 血が溢れ出すでしょう

 最初の部分の歌詞って難しい。最初どんな言葉で歌い始めるかは非常に大事。急に回鍋肉と料理の名前が出てくるのは何だか気が抜けそうだが、漫才という前置きでその味が偽物であることを示している。公式的には、ポケモン世界に流血沙汰はない(あったらCERO Aでは済まされない)。ただし生命活動の上で酸素の運搬は必須なので、大体の動物には赤い血液が流れているはず。自傷ともかけた。

 

犯罪みたいだ 死体を転がす愚行
耄碌しちゃったんだ 鹿の子が吐き出す衝動
用意してんだ ジェットターボ 全ての文字を辿っている
特殊な処理が 最弱利点へのチャンスでしょう

 版権物を利用した二次創作についての僕の見解は「死体遊び」。これチープディナーでも言っていた(事切れ命を弄ぶ)。耄碌(もうろく)は、大辞林によると「年をとって頭脳や身体のはたらきが衰えること」。この意味を調べる前に歌詞を書いていた。「耄碌したなピスコ!」でしかこの語を聞いたことがなくてちゃんとした意味を知らなかった。鹿の子・衝動・吐き出すの組み合わせもチープディナー。「全ての文字を辿っている」とは初代赤緑から最新まで全てのメッセージをちゃんと読んでいるということだと思う。「特殊な処理」は、フリーズドライのこと。本来こおりタイプの技はみずタイプに対してダメージは半減だが、フリーズドライに限っては2倍になるという特別な効果がある。ウオノラはみず・ドラゴンなのでこおり技は等倍になるが、この技を受けると一気に4倍弱点になってしまう。それが「最弱」な点。それとは逆にどうして「利点」なのかというと、4倍弱点をネタにされて人気が上がることがよくあるから。

 

やっつけ気味の深い思い入れ
きっと悪意など微塵もないね
舌の上では美味しいと振る舞って
迂闊エラーが見えた
飛来物 潰されちゃった

 1行目を言い換えると、深く練らずとも全力を尽くせること。また食べ物で例えている。料理や飲食による比喩を多用するのには主に2つ理由がある。

①推しで抜くときに今夜のオカズとよく言うから

ポケモンでR18を描く人で食べ物の名称をHNにしている人がいた気がするから(完全にうろ覚え。もう2015年とかに調べたこと。違ったかもしれない。ブイズ描きを主に紹介していたね。同じページ見たことあったら奇遇だね)

 「迂闊」▶剣盾で化石の復元を担当する人物の名前が「ウカッツ」。この名前が「迂闊」から来ている。動画の最初に出てくる文字化けはウカッツのセリフ。「エラーが見えた」にはウオノラの得意技「エラがみ」を隠している。5行目は助詞を省いているが、それは「に」。文字を赤くしている場所は、そのウカッツとエラがみを隠しているのだが、赤文字にした理由は最近投稿された別の人の曲の字幕から。赤文字を繋ぎ合わせると逆転裁判のキャラの名前になっていて、このようにテーマを暗示するのをすごく面白く感じたので真似してみた。

 

ヘラヘラ ゲラゲラ 故意に閉ざして
デーモンコアみたいな爆弾で
ケラケラ ベラベラ QOLを高める
キミたちの餌になるんだ一生
メラメラ燃えるは 自責の寝んね
情報公開 脱力 後悔
そもそもなんだ アベニューは狼化
解れる転生論でした

 サビのコードが特殊。一番上に当たる音階が半音ずつ(1箇所だけ全音)下がっていく。スケールを割と逸脱している感が強いが、別音の重ね方次第ではいくらでも調和が効くようだ。 「デーモンコア」▶上下が分かれた鉄球のような装置で、上下が触れると大爆発を起こす。知ったきっかけは「かがやけ!デーモンコアくん」。自責の寝んねは誤字ではない。死ぬことを「永遠の眠りにつく」とよく言うことから。アベニューは大通りの意味。大通りにいる人々全員が敵意を持ってこちらを睨んでいるように感じるということを示したかった。「ロージースネーク」や「レイジーシャーク」などを聞き慣れている人からすると、今回のサビのメロディは退屈に感じるかもしれない。でも、僕はいつもこれまでで一番の曲にすることを目指して作っている。「Bird Spirit」から入ったという方がいたら、そのメタル調と「メンヘラゴン」のレトロ調の差に驚くだろう。僕が音楽を作るときは直近にハマっている曲に大きく影響されるため、全体的なジャンルはかなりバラバラになってしまう。インストゥルメンタルの場合は歌モノ意識の縛りがなくなるからより自由奔放になる。

 

題材 泥になった スイカとメロンと暴動
総生産見れば あたかも豊かで重宝
とっ散らかった ソードマスター 頑丈顎に勝っている
「■■■はどこだ?」言わなくても分かるでしょう

 スイカとメロンは完全に何となく…なんにも意味がない。泥になった暴動はなにかあるかもしれない。自分の部屋についているエアコンは、深夜〜昼はちゃんと機能するのだが、夕方〜夜はうまく風が出てこない。暖房も冷房も同様。制作環境が悪いと制作効率にも影響が及ぶ。高いクオリティの制作物を公開できる人はそういった環境が万全なんだろうなと嫌味を込めて2行目の歌詞を書いたのだが、歌詞の言葉と実際の意味が食い違いすぎて絶対に伝わらない。「頑丈顎」▶ウオノラの特性「がんじょうあご」。噛み付く系の技の威力が1.5倍になる。先制できれば威力が2倍になるエラがみ、タイプ一致補正、道具と合わせればとてつもない威力を叩き出せるが、ウオノラは目立ってすばやさが高いわけではなく、ドラゴンわざには弱いままなので、ドラゴンタイプでウオノラより早いポケモンにはどうしても劣ってしまう。それらをソードマスターとした。■■■はピー音になっている場所。実際何も歌ってもらっていないのだが、本来ここには「生殖器」が入る。ポケモンに性器があるように描いている絵は割とゴロゴロある。カセキメラは性別不明は…関係ないが、元々の形状の都合上、付け足すのが難しい(物好きな人は描いているかもしれない。僕は知らない)。

 

イライラ バラバラ 無為な殺しで
辞めても無駄だぜ逆に迷うね
デレデレ タジタジ 価値があるから
アミノ酸みたいになるのがミッション

 2行目は自分心情。頻繁に絵をやめたいと思っているが、やめたところで傷は癒えないしかわりにできるようなこともない。アミノ酸は良い味を引き立てる「旨味」を含むことで有名。ドレッシングとか焼肉のタレとかが「アミノ酸の塊」と揶揄されることもある。それはおいといて、アミノ酸みたくなる、つまり人々の好む食べ物になることが運命であるということ。

 

鳴り止まない歓声とブーイング
枷取れない慢性とソーイング
バレちゃいない? 否、追えればエンディング
されど未完成品とチューニング

 韻を踏んでいるようであまり踏んでいない。最初の2行はこの曲の歌詞で一番最初に思いついた場所だが、深い意味はないかも。3行目は歌詞通りの見方以外にも「バレちゃいないな?」にも聞こえるようにしている(この部分のインストを作る前にこの歌詞の説明を書いているので、そう聞こえるように音声入力をすることを忘れないようにするための備忘録)。公式にバレていない?いや、とっくにバレているよ。もし公式が倫理的に❌な二次創作を潰す行動をとっていたらはじめから何も起こっちゃいない。4行目▶世代を重ねるごとに次々と技やステータスの調整がかかっていく様。

 

廃校になっちゃったんだ 努力も虚しくアイディール
解決策説いて 一周回って煌々
頑張れなんて何をどうして お涙すらも遥か遠い
止める権利は 誰にも無いと答えるでしょう

 アイディールはidealで、日本語に訳すと主に「理想」の意。ただ「頑張って」とだけ言っても、何すればいいのか分からないことが多い。「生きる」と同様、よく使うことに違和感を感じる語のひとつ。感動的演出で涙を誘うことを「お涙頂戴」と揶揄することがあるが、簡単なそれすらも叶わないほど感涙には及ばないという意味。人が自害しようとするのを止めるのは逆に悪いことじゃないの?と最近話題になっている。知り合いでもそうでなくても、人は本能なのか、どうも自害を止めたがりなようだ(実際僕もそうだ)。でも本気で死を考える人にとっては、そう止められることはとても迷惑である。

 

ヘラヘラ ゲラゲラ 故意に閉ざして
デーモンコアみたいな爆弾で
ケラケラ ベラベラ QOLを高める
キミたちの餌になるんだ一生
メラメラ燃えるは 自責の寝んね
情報公開 脱力 後悔
そもそもなんだ アベニューは狼化
解れる転生論でした

 1番サビと同じ。

 

貼っつけだけの深い思い入れ
嫉妬 殺意などコードもないね
舌の外でもチューインガム宣って
ガサツな狙いが的中
失敗作 正しくなった

 1行目は1番側の言い換え。コード=プログラム。ゲーム内のキャラはプログラム通りの行動しか取れないから、プレイヤーやプロデューサーへの嫌悪を抱くことはできない。「チューインガム」▶ガムは何度も噛むもの。そんなガムのように何度も楽しめることを表す。「ガサツ」▶アニメオリジナルキャラではあるが、ウカッツの相方としてガサッツが登場する。「迂闊」と「ガサツ」を対にしただけ。カセキメラはさっきも書いた通り本来の過去には存在しえなかった偽りの生物であり、復元失敗作である。それが元からいたかのように扱われることが「正しくなった」ということ。

 背景の模様はウオノラゴンの下半身の断面がモチーフ。絵柄は「目標の人物」を意識した。あれを見たのってもう2016年夏だからそろそろ7年!本当はそれより前に描かれていただろうし、自分はよっぽど後出しで手遅れとしか思えない。最近は自分にしか描けない絵を目指している。

次の曲について

 次は約3週間後、来月に開催されるボカコレに投稿する。これまでで一番の力作で、理想の音楽ジャンルにかなり近づけることができた一作。能動的な宣伝が全く意味をなさないことは分かっているから、そのようなことはしない。あくまで見つけてもらうのを待っているだけにはなってしまう。現在の作曲進捗としては、5月の作り溜めのおかげ+先々週に完成した分で11月分までは完成している。

何か余談

 来週ついにピクミン4が発売される。1,2のSwitch移植版配信により、ナンバリングタイトルは全てSwitchでできるようになっている。1は嫌な思い出ばかりで正直やりたくないので、2だけ買っている。一応お宝全回収まで通した。GC版、Wii版では実在の商品がお宝になっていたのだが、Switch版ではそれが軒並み排除されて別のものに置き換わってしまっている。それはそれで新鮮だったが、オリジナルのままの性質を見たいならまだ旧版の需要はあるというわけだ。

 Twitterが混乱状態になり、明らかに荒廃している中、Twitterに似たBlueskyやThreadsといったアプリがリリースされている。Threadsの方はアカウント登録し、右側のリンクにも記載している。まだどう使うかは未定で、完全にTwitterから乗り移るかどうかは今後の動向を様子見して決めようと思う。