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ドラえもん 2005年放送回分析

 長く続くアニメは年月の経過による絵柄や作風の変化が著しい。もちろんドラえもんも例外ではない。これからドラえもんTVで配信されているアニメを見ながら、作風の変化の分類分けを試みることにする。なおここでは2005年より開始した「わさドラ」を中心に取り扱うものとする。

■2005年放送回

1話【勉強べやの釣り堀】~64話【竜宮城の八日間】

34話「テストにアンキパン」より ○×テストで0点なのは逆にすごい

 

 大山ドラでは、2000年代に入る頃には原作漫画をほぼ回収済みでアニメオリジナルエピソードが中心だったが、新シリーズ開始に伴い原点回帰が図られて、2005年分はすべて原作回となっている。とりわけ、連載初期にあたるものや認知度の高いメジャーなものから回収されている。キャラデザ(後述)も原作寄りに転換した。構図・表情・セリフなども極力漫画に合わせられているが、異なる場合もある。

・多くの回で漫画からの変更や解釈が加えられている。「㊙スパイ大作戦」の使う道具とスネ夫の弱み、「まあまあ棒」のジャイアン爆発のきっかけ、「一生に一度は百点を…」のジャイパパのジャイママへの置き換えなどが分かりやすい。これらは下記とは違い特にアニメ化がまずい内容ではないが、漫画を知っている人も新鮮な気分で見れるようにするための工夫なのかもしれない。

・教育的・倫理的に悪い演出は控えられるようになり、薬物系のひみつ道具は薬物ではない他のアイテムや飲食物に置き換えられている*1ほか、自殺を想起させる言葉や行動も変更されている*2

・大山期にはほとんど見られなかった、通常放送枠の2話分の尺をとった中編がある。それによる追加シーンも多い。

 キャラデザは年で言えば1977年~1978年頃の絵柄が軸になっているように見える。のび太は一般的には黄色の服を着ているイメージが強いが、この時期は原作に則って赤・オレンジ・水色・黄緑の服を着ている。声は馴染みのあるものとは異なり、特に大原めぐみが担当するのび太木村昴が担当するジャイアンの声は別人感すらある(およそ3年で安定する)。また、作画スタッフ・演出家は大山期から引き継がれており、特に中村英一や富永貞義が作画監督を担当しているエピソードは癖が強く残っている絵柄になっている。演出においては、後期のカオス感を担ってきた安藤敏彦が絵コンテ・演出を担当している回は暴走気味なところがある。渡辺歩はテレビアニメではキャラ設定と絵コンテの参加にとどまっている。

*1:ハジメテン→はじめてポン、クイック錠・スロー錠→「気分コロン」のクイック・スロー

*2:「しずかちゃんさようなら」「ペコペコバッタ」など